バベシア症

ギムザ染色を施した血液塗抹標本。赤血球内に Babesia spp. が認められる。

バベシア症(バベシアしょう、babesiosis)とは、バベシア属 Babesia原虫感染を原因とする感染症。マダニの吸血の際に唾液を介してスポロゾイトが宿主内に侵入する。日本ではギブソン犬バベシア Babesia gibsoni および犬バベシア Babesia canis 感染による犬のバベシア症が存在する。症状は発熱溶血性貧血を主とする。クームス試験陽性となることが多く免疫介在性溶血性貧血との鑑別が必要。確定診断は虫体の証明によってなされ、ライトギムザ染色あるいはギムザ染色などが用いられる。虫体は1.0×3.2µmのリング状。治療にはジミナゼン、イミドカルブ、フェミジン、トリパンブルーなどの投与。予防にはマダニとの接触を避けることが最も有効である。

参考文献

  • 日本獣医内科学アカデミー編 『獣医内科学(小動物編)』 文永堂出版 2005年 ISBN 4830032006
  • 獣医学大辞典編集委員会編集 『明解獣医学辞典』 チクサン出版 1991年 ISBN 4885006104
  • 日本寄生虫学会用語委員会 「暫定新寄生虫和名表」 2008年5月22日

関連項目

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