数のクラス分け

数のクラス分け(かずのクラスわけ)とは、Robert Munafoが考案した数字の大きさによるグループ分けであり、人間の心が数字をどのように理解するかによって分類をした。

クラス0の数字

クラス0の数字は、わずかな時間で認識できる数字である。多くの人間にとって、その数字は0から6までである。

クラス1の数字

クラス1の数字は、物体のまとまりとして、おおよその数を把握できる数字で、クラス0よりも大きい数字である。つまり、 x {\displaystyle x} がクラス1の数字であれば、 x {\displaystyle x} 個の物体を一目で見ることができる。クラス1の数字は、 6 {\displaystyle 6} 超過から 10 6 {\displaystyle 10^{6}} (100万)以下までとされている。100万個の物体を一度に視野に入れることは難しいが、不可能ではないためである。

クラス2の数字

クラス2の数字は、10進数で正確に表記出来るだけの大きさで、クラス1よりは大きな数である。クラス2の数字は 10 6 {\displaystyle 10^{6}}  超過から 10 10 6 {\displaystyle 10^{10^{6}}}  以下までである。これは単純に、クラス0とクラス1の関係をそのまま続けて、クラス x {\displaystyle x} の数の常用対数(10を底とした対数)がクラス ( x 1 {\displaystyle x-1} ) の数となるように定義をした。したがって、グーゴルは101桁の数字として書くことができるため、このクラスの数になる。

クラス3の数字

クラス3の数字は、仮数・指数表記で近似的に表現できる数字である。これまでのパターンを踏襲して、数字の範囲は 10 10 6 {\displaystyle 10^{10^{6}}} 超過 から   10 10 10 6 {\displaystyle 10^{10^{10^{6}}}} 以下までとなる。グーゴルプレックスはクラス3の数字である。

コンピュータの中で指数として数字を記憶する時には、クラス3の数字 x {\displaystyle x} x + 1 {\displaystyle x+1} とほぼ等しい。

クラス4の数字

クラス4の数字は10の対数を取るとクラス3になる。 10 10 10 6 {\displaystyle 10^{10^{10^{6}}}} 超過から 10 10 10 10 6 {\displaystyle 10^{10^{10^{10^{6}}}}}  以下までの数字である。コンピュータの中で指数タワーとして記憶すると、クラス4の数字 x {\displaystyle x} 2 x {\displaystyle 2x} とほぼ等しくなる。クラス4以上の数字は近似計算の場合、仮数・指数表記にしようとしても仮数が意味をなさなくなる。

さらに高いクラス

クラス5の数字は10の対数を取るとクラス4になる。   10 10 10 10 6 {\displaystyle 10^{10^{10^{10^{6}}}}} 超過から 10 10 10 10 10 6 {\displaystyle 10^{10^{10^{10^{10^{6}}}}}} 以下までである。もしそれを指数タワーで表すと、クラス5の数字 x {\displaystyle x} は大体 x 2 {\displaystyle x^{2}} である。

一般的に、クラス n {\displaystyle n} の数はクラス n 1 {\displaystyle n-1} の数よりも大きく、10の対数を取るとクラス n 1 {\displaystyle n-1} となる。また、クラス n {\displaystyle n} の数はハイパーE表記 E 6 # n {\displaystyle E6\#n} 以下の数である。

定義

0以上の実数 x {\displaystyle x} のクラスを f ( x ) {\displaystyle f(x)} としたとき、 f ( x ) {\displaystyle f(x)} を次のように定義する。

c ( 0 ) = 6 {\displaystyle c(0)=6}

c ( n + 1 ) = 10 c ( n ) {\displaystyle c(n+1)=10^{c(n)}}

f ( x ) = min { n | c ( n ) x } {\displaystyle f(x)=\min\{n|c(n)\geq x\}}

計算例

実際に具体的な数がどのクラスに属するかを提示する。ここではクラス6以上の数について扱う。

  • グーゴルクアドリプレックス( 10 10 10 10 10 100 {\displaystyle 10^{10^{10^{10^{10^{100}}}}}} ) クラス 6 {\displaystyle 6}
  • ベントレー数( i = 0 9 10 ↑↑ i 10 ↑↑ 9 {\displaystyle \sum _{i=0}^{9}10\uparrow \uparrow i\approx 10\uparrow \uparrow 9} ) クラス 6 {\displaystyle 6}
  • スタインハウスメガ( 2 [ 5 ] {\displaystyle 2[5]} ) クラス 256 {\displaystyle 256}
  • トリトリ( 3 ↑↑↑ 3 {\displaystyle 3\uparrow \uparrow \uparrow 3} ) クラス 7625597484986 {\displaystyle 7625597484986}

ハイパークラス

クラスよりも大きな数を分けるものとしてハイパークラスが定義されている。

これは、巨大数論(フィッシュ 著)の本の中でのみ使用された定義である。

定義

0 {\displaystyle 0} 以上の実数 x {\displaystyle x} のハイパークラスを f ( x ) {\displaystyle f(x)} としたとき、 f ( x ) {\displaystyle f(x)} を次のように定義する。

h c ( 0 ) = 6 {\displaystyle hc(0)=6}

h c ( n + 1 ) = c ( h c ( n ) ) {\displaystyle hc(n+1)=c(hc(n))}

f ( x ) = min { n | h c ( n ) x } {\displaystyle f(x)=\min\{n|hc(n)\geq x\}}

c ( n ) {\displaystyle c(n)} の増加速度は、テトレーションレベルである。

そのため、テトレーションの積む段数が多すぎると数を評価しにくくなる。

そのため、ペンテーションレベルの数を評価するうえでハイパークラスは適している。

ただし、ペンテーションを超えてくると評価しにくくなるので(ヘキセーションなど)、そこで頭打ちになる。

計算例

実際に具体的な数がどのハイパークラスに属するかを提示する。

  • トリトリ( 3 ↑↑↑ 3 {\displaystyle 3\uparrow \uparrow \uparrow 3} ) ハイパークラス 2 {\displaystyle 2}
  • スタインハウスのメジストロン( 10 [ 5 ] {\displaystyle 10[5]} ) ハイパークラス 11 {\displaystyle 11}
  • ギャゴル( { 10 , 100 , 3 } {\displaystyle \{10,100,3\}} ) ハイパークラス 100 {\displaystyle 100}
  • グラハル( 3 ↑↑↑↑ 3 {\displaystyle 3\uparrow \uparrow \uparrow \uparrow 3} ) ハイパークラス 3 ↑↑↑ 3 {\displaystyle 3\uparrow \uparrow \uparrow 3}

それ以上の数

グラハルの時点でハイパークラス 3 ↑↑↑ 3 {\displaystyle 3\uparrow \uparrow \uparrow 3} というとんでもなく大きいクラスだが、クラス数に巨大数が使われているため分かりにくい。

これ以上の矢印を数え上げたりするような数等に関しては、急増加関数等を使って数を階層化する必要がある。

脚注

[脚注の使い方]

関連項目

参考文献

  • クラス - 巨大数研究 Wiki
  • 巨大数論 第2版
  • 巨大数入門
  • クラス | 巨大数研究 Wiki | Fandom
  • Large Numbers at MROB
  • Large Numbers (page 2) at MROB
  • 数の一覧 | 巨大数研究 Wiki | Fandom

外部リンク

数の例
表現法
表記
演算子
順序数階層
関連項目
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